ひかりの国プロジェクト/その15「三猿(さんざる)」

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その15 「三猿(さんざる)」

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ひかりの国プロジェクト

見猿(みざる)、聞(き)か猿、言(い)わ猿の三猿は、世界的にも"Three wise monkeys"として知られていて、日本では日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)の三猿像(さんざるぞう)が有名でしょう(たぶん・・?)。この猿たち、けっこう今の社会を現(あらわ)しているのではないでしょうか。本来の意味とは違っているかもしれませんが、見たくないよ・聞きたくないよ・しゃべりたくないよ・・・今起きている企業などの不祥事(ふしょうじ)にどこか似ています。

そう、テレビ(ドラマ)で、「このことは見なかったことにしよう」とか「そんなこと聞いていません」「言った覚えはない」なんて、こんな場面見たことがありますよね。不思議(ふしぎ)なことに、自分に都合の悪いときは、急に目が悪くなったり、耳が遠くなったり、口が重たくなったりするみたいです。健康診断(けんこうしんだん)で悪い結果がでても、大丈夫だろうと自己判断して、ほっといたらかなり進行して手遅れになっていたとか。その人は、健康診断の検査数値(けんさすうち)を認めたくなかった(見なかったことにしたかった)のかもしれません。

五感(ごかん)の号でも触(ふ)れたのですが、最近特に気になるのは携帯の電話を見ながら歩いている人がかなりいることです。階段でも携帯を見ているのですが、足を踏(ふ)み外(はず)したりして、周(まわ)りの人を巻き込んだらどうなるのやら。それとも、周りがよけてくれることを信じているのかも。携帯を見ていると、注意力が散漫(さんまん)になり、歩く速度も含め他のことがおろそかになりますよね。

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また、通勤電車の中もイヤホンをしながら携帯(ゲーム)とにらめっこ・・・・・。家の中ではなく外にいるのに、他は見たくない、聞きたくない・・・自分以外は見えなくなり、自分の世界に入っていってしまう。携帯の画面に世界があり、イヤホンの音しか感じられず、しゃべれなくなる。いつも乗る電車なのに、どんな人が乗っているかわからない。自分と毎日同じ電車にのっている人が、仕事先で偶然(ぐうぜん)に会ったとしても、まるで始めてあった人のように。

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周りが見えないと、日常の外の風景が変わったことにも気づきません。普段歩いている場所でさえ「いつの間にこんなもの(ビル)ができていたの・・・・・気づかなかった」なんて・・・・。
他にも赤信号の時、携帯を見ていて、周りの人が渡り始めたので、つられて渡ろうとしたら実はまだ赤信号だったとかっていう体験がありませんか?他の人は信号無視していたんですね。

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信号、見ないで渡(わた)れば怖(こわ)くない・・・・。向こう(車)が止まるでしょ。俺(おれ)知~らない・・。なんてね。

とかく現代社会は、見猿、聞か猿、言わ猿の社会になりつつあります。このままこのようなことが続くと、本当に取り返しのつかない世界になるのかもしれませんね。それに自然は、こちらの都合(つごう)など関係がありませんし・・・ね。どのような(悪い)事でも、しっかり見て、聞いて、伝えて(伝承など)いかないといけないのでは・・・・・・。

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