前回は神様仏様でした・・・とくれば、今回は観音様でしょう。
この観音様も、神様仏様と同様に実際にみたことがあるひとはほとんどいないのでは?仏像では、観音様を見たことがある人はいると思いますが、やはりイメージとしての観音様だと思います。では、観音様っていったい何だろう・・・ってなりますよね。
読んで字のごとく、観(み)ることと聞く(音)こと。お医者さんのように、観ること聞(聴)くことで診断できる方のことを指していたのではないでしょうか。患者(かんじゃ)さんが入ってきただけで、瞬時(しゅんじ)にその人の体調を言い当てるなど、観察力(かんさつりょく)の優れている方ならこのようなことは造作もないことでしょう。現代のように検査技術がまだ確立されてない時代は、お医者さんの見立てが何よりでした。
近頃は患者さんの顔も見ることもなく、検査機器に頼りすぎて、検査の数値(すうち)だけで判断される方もいるようですが。誠実なお医者さんならば、患者さんを診断するときは、顔色の善(よ)し悪(あ)し、皮膚(ひふ)の張り具合等をよく見(観察)て、聴診器(ちょうしんき)を当てて内部の音を聞きますよね。観て、聞いて的確な診断をする。最近では少なくなってきたのかもしれませんが・・・。
さて、「音」は音波(おんぱ)とも言います。字のように波であらわします。音の他にも、光や電波も波です。僕らの周りには、いろいろな波が漂(ただよ)っています。(この表現が適当かどうかですが・・・)この波がけっこう大事です。文明の利器のテレビも携帯も、この波を使っています。波・・で僕らは恩恵(おんけい)を受けています。そして、この便利な波はやっかいなことに、普通は見えないため気にとめません。それと、甚大な被害をもたらした津波。これも波です。
波を絵であらわすと、だいたいこのような感じであらわしますよね・・。この波(音)が病気の波(雑音=ノイズ)だとします。この波(ノイズ)を消すにはどうしたらよいのでしょう。
今の、イヤホンとかに、応用されていますが、イラストのように逆の形の波(逆位相=ぎゃくいそう)をあてます。実はこの逆位相の波が、「観ること(気づき)」にあたります。
音(ノイズ)=波を、「観る(観察)」ことで消(け)す。常日頃、注意深く観ることにより、いやな波長を消し正常な状態にする。災(わざわ)いが大きくなる前に、小さなノイズを事前に察知(さっち)する。気づけばそれなりの対処が出来ます。そのことを、観音力(様)と言っていたようです。
かの天才物理学者の寺田寅彦も言っていました。
天災は忘れた頃にやってくる・・・と。(厳密にはチョット表現が違うみたいです)
普段から「意識する」ことが、災害を未然に防ぐのかもしれません。