前回の問題、 「五感(目・耳・口・鼻・手)に共通すること」は何でしょうか?
皆さんは答えがわかりましたか?
答えは 「開ひらいている」・・・ってことです。
開いている?それが答え・・と思った方もいるでしょう。
チョット拍子抜けかもしれませんが、これが答えです。
先ず、「見る」ことですが、皆さんは見るとき「目」はどうなっていますか。
「目」は開いていませんか。閉じていたら見えませんね。
「聞く」とき「耳」は開いています。ふさいだらよく聞き取れません。
「味わう」時も同じで「口」を開けてから食べ物を入れ、味わいます。
「嗅ぐ」時はどうですか?「鼻」は開いています。くさいとき鼻をつまみませんか。
そして、最後に「触れる」ことですが、たいてい、人は物に触れるとき「手」を開きます。まさか、げんこつ(グー)のまま触れませんよね。
ほら、この答えは小さい子にもわかるし、よォーく、「体を」見るとわかるでしょ。
さて、翻(ひるがえ)って現代を見てみますと・・・皆さんもお気づきでしょうけど。
現代の人は、目をふさいでいます。だって、町中を見回しますと・・・。携帯(電話・ゲーム)を見ながら、メールを打ちながら歩いています。耳もイヤホンでふさいでいるし、鼻や口もマスクで覆(おお)われています。まだ寒いので手袋などしていると、直接触れることがありません。極端かもしれませんが、今回の原発に向かう自衛隊の方たちみたいに完全防御(防護服)状態にみえます。なんか不気味・・です。このような状態で、どうしてこの世界を感じることができるのでしょう。
携帯の小さな画面を見ながら歩いている人を見ると、多分まわり(景色)がほとんど見えてないと思います。自転車に乗りながらメールを打っていたり、運転しながら携帯を確認したりしている人もいます。事故を起こした人の話などでよく聞くのは「ちょっと目を離したら(携帯をみたら)目の前に人がいたとか」・・・・。ある事故現場での話では、音楽をイヤホンで聴いていた高校生がクレーンの下敷きになったとか。まわりの人が「危ない」と声をかけたのに、イヤホンのため聞こえなかったそうです。
また、現代病ともいえる花粉症は、鼻も詰まりのども腫(は)れて苦しい。こうなるとニオイも味もよくわからず食事もおいしくないことでしょう。寒さ対策のための過剰(かじょう)な防寒(ぼうかん)は肌を塞(ふさぎ)ます。いやはや何ともいえず、これでどうして世の中のことがわかるのか・・・・・。
五感を塞ふさぐ(閉とざす)ことは、危険を察知(さっち)することを鈍(にぶ)くさせます。そう、鈍感(どんかん)になるのです。人(動物)は鋭敏(えいびん)でないと新たな物事を発見(見つけることが)できないのです。特に現代社会は、見えないようにする隠(かく)す社会なのかもしれません。
まだまだ続く、五感関係・・・。
次回から五感を通してどんなことが見え・感じてくるのか・・・五感に関することを紹介します。