身土不二・・仏教(ぶっきょう)では「しんどふに」ですが、一般的には「しんどふじ」と言われています。意味は、体と土は切り離せないので、要は、育った土地のものを食べれば体に良いですよ、というようなことで使われています。言われてみれば,何となくそうなのかなぁ~って思いますよね。でも、本来は体と土は同じものだという意味の言葉で、仏典(ぶってん)の中にあるようです。
食用思想を元に始めた、マクロビオティック(食生活法・食事療法の一種)の桜沢如一(さくらざわゆきかず)さんも法華経(ほけきょう)に基づくと記していたそうです。
ところで、「体」と「土」が同じとはどういうことなのでしょう・・・?
その前に「不二」という言葉ですが、漫画(まんが)好きな方ならルパン三世(さんせい)の峰不二子(みねふじこ)を思い浮かべる方もいるかと思います。ルパンが「不~二子ちゃ~ん」って甘い?声で呼んでいたのを、記憶にある人もいるのでは・・。この「不二」という意味は「二つとない・二であらず」という意味になるでしょうか。だから、不二子ちゃんも“二人といないいい女”っていうのでつけたのかもしれないと思ったのですが、作者は「目の前にあった富士山のポスターと自分が吸っていたタバコの銘柄『峰』を合わせた」と語っていたそうです・・・残念。
さて、不二子ちゃんの命名(めいめい)の由来にもなった、日本では超ぉ~有名な山「富士山(ふじさん)」も、もともと(古い文献)は「不二山」と言われていたようです。「二つとない山・たった一つの山」・・・う~ん確かにそう思いますよね。それじゃあ「身土不二」という言葉は、やはり仏典通りに、身(体)も土(大地)も二つではなく一つだという意味になりますよね。もともと一つのものからできているのだと・・。
そういえば、最近では「ES細胞(胚性幹細胞=はいせいかんさいぼう)・iPS細胞(人工多能性幹細胞=じんこうたのうせいかんさいぼう)」という「再生医学(さいせいいがく)・再生医療(さいせいいりょう)」の記事を新聞でもよく見ますし、テレビでもたびたび報道されています。このES細胞は「万能細胞(ばんのうさいぼう)」とも言われ、いろいろな臓器(ぞうき)になる可能性があるため、世界中で注目されていて、また研究もされています。日本では、京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥京大教授が世界的にも有名でしょうか。一つの細胞がいろいろな臓器になる。僕らの体って、元々は一つのもの(細胞)が、いろいろなもの(臓器)に変化していったのです。不思議ですよね。科学が発展して、いろいろなことが分かってくると、逆に不思議なことも増えていきます。もしかしたら、人間(身)も地球(土・大地))も一つ(の元素?)からできたのかも?・・・って言うことなのでしょうか。確か、生物は海(大地)から生まれたと言われていますので。
感覚器官(かんかくきかん)の優(すぐ)れていた人たちは、このようなことが何となく(体感で)感じられたのかもしれません。たぶん・・・・・? 元(もと)は同じなのだから、大切にしよう。大地を思うことは人を思うこと、大地を大切にすることは人を大切にすることだと。ばらばらに見えても、見えないところでつながっているのだよ・・・って、本当の絆(きずな)を僕らに伝えたかったのかもしれません。