象徴って、何でしょう・・・。象徴という言葉は、すこし堅苦しくわかりにくいように感じますが、一般的にいえば「シンボル」という言葉で表した方がよいかもしれません。企業等で言えばブランドと言われているものが、それにあたるものになるのでしょうか。
似たような商品で値段が同じくらいならば、知っているブランドのものを買いませんか?知っている=信頼できるもの・・・・と思っています。もちろん知っていることが信頼できることとは限りませんが、たいていの消費者はこう思っているのでは・・・・・・・?
会社はこのブランド(価値)を育てるため、いろいろなことを考えています。どのようにしたら、ブランドが皆に知れ渡り、好きになってもらえるのだろうか・・・と。僕らはこのシンボル(ブランド)というものに何故か弱いのです。
何故、弱いのか・・・不思議に思いません・・?
それは・・・・・・・・。
ある日、電車に乗っています。天気も良いし、心地よく何となくウトウトとしてしまいました。降(お)りる駅に近づいています。そこで、ハッと目が覚(さ)めました。そのとき、人はどのようなアクションをとるでしょうか・・・・?だいたい人は今何時、ここはどこという風に確認しませんか。そう、時間(時)と場所(空)を気にします。
脳にはクセがあって、時と場所を確認しないと不安になるのです。たとえば、時計のない場所にいたとしたら・・・目隠しをされて連れ回されたとしたら・・・・不安になりませんか?
時間と場所は図のような関係になります。これがはっきり(目印)すればするほど、脳は安定します。待ち合わせの場所を伝えるのに、『渋谷で10時ぐらい』と言うよりも、『渋谷のハチ公前で10時ちょうど』と伝えた場合のほうが確実なように。今は、携帯でやりとりすればOKなのでしょうけれど・・・・。
ブランドも、歴史(時間)と場所(空間)を大切にしますね。
地位も名誉もブランドです。有名大学や名の通った会社(場所)に入るにも長い時間をかけて勉強し、苦労して入ります。狭き門(目標=めじるし)をくぐり抜け苦労して入ったので、就いた職業にはブランド力が出てくるのです。このように脳には時空(時間・空間)を意識するクセ?があるため、有名大学や大企業志向(安定志向)は仕方がないことなのです。
それと、ブランド依存症(いぞんしょう)という言葉を聞いたことがありませんか・・?依存症というぐらいですから、病気なのかもしれません。僕らは皆、なにかしらのブランド依存症だと思うのですが、でも僕らは、病気とは思っていません。だれにでもあるちょっとしたクセというぐらいにしか感じていません。僕らの脳は、シンボル(時空・印)に囚(とら)われるようにできているのです。社会(=せけん)はその弱いところをつついてきます。
でも、ある日、ブランドシンボルを追い続けることに疲(つか)れてしまいます。造られたものに違和感(いわかん)を覚(おぼ)えるのです。
この象徴=ブランド(造られたもの)に相対するものが「自然」です。自然は造られたものではなく、ブランド(印)がないのです。ブランド神話(脳が作り出した幻想)に疲れてくると、自然の中に戻りたいと欲するのは、人間の体自体は自然そのものなので、この脳の弱点を補(おぎな)うために、体が信号を発し始め、敏感(びんかん)な人はこの信号に気づくのです。
休息が必要だ・・。都会から少し離れたいなぁ~・・・・と脳は思うのです。
最後に余談ですが、日本には自然(体)のものでありながら、象徴(シンボル=脳・印)のものがあります。それは・・・・・富士山。僕らはこの山に惹(ひ)かれます。