世の中で言われている現場主義という言葉ですが、この言葉、どのように感じていますか?これからは、現場(主義)をもっと大事にしようとか言われています。
現場主義ってどういうことなのでしょう。たとえば、現場の意見を吸い上げて、商品開発に応用するとか。この肝心要(かんじんかなめ)な現場ですが、はたしてどれだけの人が、現場というものをわかっているのでしょう。もし現場を正しく見られなければ、問題を解決することができないのでは・・・・?「正しく見る」ことができる人が、現場にいるのでしょうか・・・?では、「正しく見る」にはどうしたら良いのでしょう・・・。
そう、ここで、また五感の登場です。「正しく見る」には五感を開くことが重要です。
人は見ているようで、実際は見ていません。結構(けっこう)、見落としていることが多いのです。文章を一通り書き終えた後、校正をするのですが、何人見ても見落とすことがあります。気をつけて、注意深く見ているつもりですが、不思議なことにそれでも見逃してしまう。なぜなら、僕らには思い込み(先入観)があるからです。
思い込みとはサングラス(フィルター)をかけているような状態で物事を見ている・・・。そんな感じでしょうか。ずっと、赤色だと思っていたら、サングラス(思い込み)をはずしたらまったく違う色だったとか。この思い込みって、人それぞれの癖(くせ)のようなものです。
よく言いますよね。なくて七癖(ななくせ)って。
※クセがないように見える人でも、七つぐらいのクセはもっているもの。
このクセが邪魔をして、正しく物事を見ることができなくなります。そして、正しい判断(はんだん)もできなくなる。これは、興味(きょうみ)のあることには囚(とら)われて、興味のないものは見落としてしまっていることを表しているのではないでしょうか・・・。
囚われる。まさに、「人」が「□(檻おり)」の中にいる状態、檻(おり)から出られない、自由がないというか、物事を見ることができない状態です。
思い込みは実にやっかいです。今回の地震も「まさかここまでは津波はこないだろう」と思っていた人がほとんどだったのでは。原発もこんな被害が出ようとは・・・・。被害の予測を指摘した方も中にはいらっしゃったようですが、結果的に、甚大(じんだい)な被害をもたらしてしまいました。思い込みは、人を鈍く(鈍感に)させます。誰も、決して現場を甘く見ていたわけではないのでしょうが、どこかで傲(おご)りがあり、正しく見る力が弱くなっていたのかもしれません。ただし、職人(しょくにん)といわれている方は、普通の人より見る力が高いように思われます。
いつでも、正しく物事を見られるようにすることが大事です・・・・。
日頃から五感を意識して、注意深く見る。正しく見ることができるようになると、思い込みは消えていきます。ただ淡々(たんたん)と観察(かんさつ)することができるようになります。正しく物事を見ることができるようになれば、正しく聞くことができるようになります。もちろん、そのときヘッドホン等は、はずしてくださいネ。そして、そこから本当に見えてくるものがあるはずです。