まだまだ続く五感です。
今回の見えないもの・・ですが、見えないものって何だと思いますか?
今、問題になっている、人体に悪影響を与える放射能(ほうしゃのう)・・、ぼくらの眼では見えないし、どれくらいの量が、空気中に放出されているのかわからないために恐(おそ)れられています。この放射能は、器械でしか測定できないから危険とされているものですが、僕らにとって一番必要な空気も、見えないものです。
そして、大震災でわかったライフラインの大切さ・・。
ライフラインに最も必要な電気・ガス・水ですが、この中の2つ(ガス・電気)は見えません。ガスも電気も見えているつもりになっていますが、火がついて、燃えることで見えるガス、電気だってショートしたときに火花が散り、見えたように思いますが、ガス・電気そのものは実は見えないものです。水だって、気体となって空気中に溶(と)け込(こ)んでしまえば、肉眼(にくがん)では見えません。
案外、僕らにとって、大事なものほど見えないものなのです。
この文章を作成するためのパソコンの中(CPU機械等)も見えないし、何気なく見ているテレビですが、テレビの番組を作る裏方の人達も見えませんし、震災で重宝したラジオの電波も見えません。もちろん、テレビの映像を届ける電波もラジオと同様見えません。
ましてや地球の内部なんてもっと見えないのです。地震で動いたプレートもそうです。
では、この見えないものが見えるようになったときは、どのようなときなのでしょう。
たとえば台風が接近しているとき、テレビの画像が荒れてよく見えない。ラジオが聞き取りにくいときは、なにか障害物があって電波がうまく受信できない。地震も、地面が揺れたとき、地中が動いたときに感じます。そう、僕らは何か現象が起きたとき初めて見えないものを意識します。
人の体の中も、X線をあてたり内視鏡を入れたりすれば見えるかもしれませんが、普通は見えません。体の表面に現れたときは(地球も同じで)、見えない部分(内部から)が、何か警告している(注意を促している)のではないのでしょうか。見えないものが見えたときの怖さ・・・・。
『星の王子さま(サン=テグジュベリ作)』でも言っていたような気がします。見えないものの大切さを・・・・・。
でも、人は見えないものにはなかなか目を向けませんし、普段は想像もできません。企業が作り出す様々な商品も、企画の段階から多くの人が関わり、開発しています。商品がお店に並ぶまでには、流通も含めていろいろな方々(会社)が関わってきています。この過程(中間・見えないもの)は無視されてしまい、結果としてのできあがった商品しか認めない人が大多数になってしまいました。
まっ、結果がすべての世の中だから、仕方ないことなのでしょうけど・・。
では、この見えないものを感じるにはどうしたらいいのでしょうか。
そう、五感を開くことです。
五感を開くことによって、今まで感じなかったことが感じるようになるのです。感じるようになると、見えなかったものごとが見えるようになります。見えるようになると、新たな発見につながります。そして、発見は開発につながり、現場(現実)に反映することができるようになるのです。
よくいう「絆(きずな)というのも見えないものだし、人の心.はもっと見えない。
けれど、日本語には見えないものを意識する言葉がありますね。それは、「お陰様(かげさま)で○○○」。
まだまだ続くぞ、五感・・・。