前々回も桜の花について同じようなことを書きましたが、毎年、申し合わせたかのように、花々が咲き乱れて散っていく様は、ちょっとしたものですね。こうも毎年見事に咲いてくれると、まるで見えない何かでつながっているような気がするんですよね。それに、桜が終わっても次々にいろんな草花が咲き、芽吹いていく。これらのことは、どこか深〜いところに、生命(いのち)の流れ(=潮流)みたいなものがあるようにさえ感じるのです。見えない生命の時の流れがあり、それに呼応して(=連絡を取りあって)いるかのように、時期が来ると各地で一斉に開花するのかもしれません。
今回のタイトルの「生命潮流(せいめいちょうりゅう)」は、1979年にライアル・ワトソン博士が出した本の名です。このなかに、「百匹目の猿」というのがあるんです。たぶん皆さんも、一度は聞いたことがあるんじゃぁないでしょうか。某(ぼう)コンサルタント会社の偉い方もよく、自分の本で紹介していて、ベストセラーにもなっていました。
宮崎県串間市の幸島(こうじま)に棲息(せいそく)する猿の一匹が、イモを洗って食べるようになり、同じ行動を取る猿の数が閾値(いきち=ある一定の数・ワトソンは仮に100匹としています)を超えたとき、その行動が猿の群(む)れ全体に広がり、さらに場所を隔てた大分県高崎山の猿の群れでも突然この行動が見られるようになったというじゃぁないですか。
「ある行動や考え方などが、ある一定数を超えると、これが接触のない同類の仲間にも伝わる」というこの不思議な現象のことを、「百匹目の猿」と言うらしいんです。何のつながりもないところに、突然現れるような感じでしょうか。
まるで宇宙戦艦ヤマトがワープするかのように。アレっ、ちょっと違うかぁ・・・?まぁ、でもテレパシーみたいなもんでしょうかね。ある日、突然みんながテレパシーを使えるようになって、日本各地で一斉に同じ行動をとる。不思議っていやぁ不思議ですよね。ヒョッとしたら猿が携帯スマホを持っていて、一匹の猿がTwitterで「俺、今日から芋を洗って食べちゃうよ」なんて呟(つぶや)いたら、み〜んな、一斉にマネをしたのかもね。まるで、映画の「猿の惑星」のように、この猿は超ォ〜スゴイ知能を持った猿だったりしてね。ま、僕らも、携帯を持った猿のようなモノですから、あまり変わりはないかもね。
実はこの「百匹目の猿」の話は後日談があって、「このことは嘘(うそ)だよォ〜。作り話なの」ってワトソンが認めちゃったようなのです。この人に振り回されてしまったようなんですよね、僕らは・・・・。
それにしても、こうも堂々と言われたら信じちゃいますよねぇ。それに、この世界はわかっていないことのほうが多いので、信じているほうが夢?があって面白いかも。案外ホントかもしれないしね・・・。
嘘
※ ワトソンの話が嘘とはいえ、そういえば心理学者ユングも似たようなことを言っていたような・・・・。確か・・・「集合的無意識(しゅうごうてきむいしき)」ん、違うかなぁ?
※ 「猿」といえば京都大学の故・今西錦司(いまにしきんじ)先生(1902〜1992年)が面白い・・・かも。なんたって、日本の霊長類学の創始者ですからね。